24話 夢Xそら(後編)

記憶が失ったトウハは空をずーとずーと、見つめていた。

クレハ:トウハ、ご飯ですよ。

トウハ:・・・・いらない。

クレハ:そんなこといわないの、食べないと元気にならないよ。

トウハ:お腹減ってない・・・・。

クレハ:・・・ここに置いときますからね。

トウハ:・・・・。

ゴォォォォ・・・。

トウハ:・・・羽・・。

ゼロ:おはよう、トウハ。

トウハ:・・誰?

ゼロ:ゼロ、通りすがりの傍観者さ。空、飛びたいか?

トウハ:・・・うん。

ゼロ:ちゃんと、捕まえてね。落ちたら・・・クレハに怒られるから。

トウハ:・・・うん。

ゴォォォォォォ。

トウハ:あは・・・飛んでる〜。

ゼロ:気持ちいいか?

トウハ:うん、とっても気持ちいい!

ゼロ:ねえトウハ、キョンのこと・・どう思うかな?

トウハ:・・・お兄ちゃん・・のこと・・よくわからないけど・・・。ボクのこと・・面倒見ててくれて・・いい人。

ゼロ:なら、好きになっちゃえば?

トウハ:ゼロ・・・お兄ちゃん・・・。

ゼロ:さて、そろそろ病院に戻るか。

トウハ:戻りたくない、ずーとお空・・みたいな。

ゼロ:そっか、空・・みたいか。

トウハ:空みたら、何か思い出せそうなの。

ゼロ:いいよ、つきあってあげるよ。

トウハ:ありがとう、お兄ちゃん。

ゴォォォォォ!!

ナース:トウカちゃぁぁぁん!大変よ!

クレハ:どうしました?

ナース:トウハちゃんが・・・いなくなっちゃった。

クレハ:そんなことで大声言わないでください。トウハは友達と一緒にいってますよ。

ナース:はあ・・・。大声出しちゃって損した・・。お友達ってキョンくんかな?

クレハ:違いますよ。

ナース:キョンくんじゃなかったら・・・誰かな?

クレハ:いつもトウハを見てくれてるゼロくんです。

ナース:ゼロくんって黒髪のビジュアル系の人でしょ?

クレハ:はい・・・。

医長:こら、しゃべってないで仕事しなさい!

ナース:すみません〜、トウカちゃん、また話そうね。

クレハ:えぇ。・・・トウハはゼロくんとお空見てるかも。

フワァァ・・・。

ゼロ:もう楽しめたでしょ?一休みしよう。

トウハ:うん、お腹減っちゃったから・・・お姉ちゃんが作ったミートスパゲティー・・食べなくちゃ。

ゼロ:おいしそうだね。

トウハ:ゼロお兄ちゃんもどう?

ゼロ:いいのか?

トウハ:うん、おいしいよ。

ゼロ:では・・・頂きます。

チュルル・・。

ゼロ:うん、おいしいね。

トウハ:・・・キョンお兄ちゃん・・・来ないね。

ゼロ:キョンは学校に行ってるよ。見に行こうか?

トウハ:でも、お姉ちゃんが遠く行っちゃだめって・・。

ゼロ:そか、クレハはおせっかいだね。

トウハ:お兄ちゃん、明日来てくれる?

ゼロ:ごめん、来れなくなった。明後日なら・・・いけるよ。

トウハ:うん、約束だよお兄ちゃん。

ゼロ:約束するよ・・・。じゃあ、また・・・。

ばさぁ!

トウハ:・・・・うぅ・・・痛い・・・痛い・・・。

ツカツカ・・・。

クレハ:帰ってきたかな?トウハ。

バリィィィィィン!!

クレハ:この音・・・まさか!?

皿が割れた音がして、クレハは305号室へ、すると・・・・。

クレハ:トウハ!?どうしたの?苦しいの?

トウハ:いやああああ、翼が・・・痛いよ・・お姉ちゃん・・・おねえちゃぁぁぁん!!うあああああん。

クレハ:背中が痛いのね、よしよし・・・痛くない痛くない・・・。

トウハ:うぅ・・・。

クレハ:病気に負けるな・・・病気に負けるな・・・うふふ・・。

トウハ:すぅ・・・すぅ・・・。

クレハ:寝ちゃったね・・・。

トウハ:すぅ・・・キョン・・くん・・・トウカちゃん・・・。

クレハ:・・・治ったね。記憶喪失。

ガラララ。

キョン:よっ、クレハ。

クレハ:キョンくん、トウハの記憶喪失・・・治ったよ。

キョン:早いな・・・治るの。

トウハ:すぅ・・・キョンくん・・・気持ちいいよ・・空。僕たち・・・飛んでるよ・・・。

キョン:(トウハちゃん・・・だめだ・・・6回も見てしまった。日記に埋め込めないまま死ぬの・・悲しいことだ。)

クレハ:キョンくん、話したいことがあるの。

キョン:クレハ?

クレハ:私・・・知ってたの。夢を見終わったとき、トウハは死ぬって。

キョン:知ってたのに、なんで俺に・・・?

クレハ:言いたくなかったよ・・・、キョンくんとトウハが笑って遊んで・・・言えないよ・・・。

キョン:もういいよ・・・トウハちゃんが言っちゃった。クレハ・・・明日海に行こう。カリスと妹を連れて・・・。

クレハ:海ですか、いいですよ。

キョン:思い出がないまま死ぬのはごめんだ。

クレハ:うん、トウハの顔がみるの・・最後になりそうですね。

トウハ:あの海・・・どこまでも・・・青か・・った遠くま・・・で・・・♪

キョン:歌いながら・・・寝てるな。

クレハ:良く歌うの・・・青空。

キョン:青空か・・・、たっだら歌うか・・鳥の詩を。

クレハ:うふ、好きですね・・・AIR。

トウハ:ぐすん・・・いやだよ・・・ぐすん・・・死にたくないよ・・・キョンくんと・・トウカちゃんと一緒に・・・遊びたいよ・・・ぐすん・・・。

キョン:・・・死ぬのは悲しいか・・・。本のシナリオ通りなんか・・・絶対にさせない。運命を・・変えてやる。

クレハ:泣かないで・・トウハ。

そして翌日・・・。

キョン:熱いな〜トウハちゃん。ジュースでも飲むか?

トウハ:うん、これがいい。

キョン:ピーチジュースか、よく飲むな〜。

トウハ:これしか飲まないもん〜。

カリス:キョン〜、早く〜。

キョン:わかってるよカリス。

キョンの妹:トウハちゃん、砂遊びしよう。

トウハ:うん、お城作ろう〜。

キョンの妹:お城作れるんだ〜、すっごーい。

カリス:みて、トウハちゃん。僕が住んでるお城だよ。

トウハ:でっかいなカリスくんのお城。

カリス:僕が小さい時、兄さんとよく砂遊びしてたんだ。

トウハ:いいな・・・、僕なんてトウカちゃんと砂遊びしてくれなかったもん。

クレハ:ごめんなさい、いつも神社の仕事で忙しかったから・・・。

トウハ:でも、始めてトウカちゃんと海だよ。

クレハ:だね、ビーチバレーしましょうか。

カリス:うん、やろう。

トウハ:キョンくんと組む〜!

カリス:僕はクレハと組むね。

キョンの妹:審判するよ〜。

トウハ:僕、先攻だからね。いくよ、えい!

ポン・・・ポス。

トウハ:あぅ・・・ネットにかかった。

キョン:どんまい。

カリス:次、僕の出番だね。えい!

ポン・・。

キョン:きたぞ、トウハ!?

トウハ:え・・・どこどこ・・・。

ポン。

トウハ:きゃ・・・、はぅ・・・。

キョン:大丈夫か?トウハ。

トウハ:鼻がひりひりするよ・・・。

キョン:ビーチボールに当たって、ひりひりするか・・・。

カリス:もう1回だね、えい!

ポン。

キョン:よし!とぉ!

ポスッ。

トウハ:え、えい!

ポン!

キョン:うわっと、わざとだろ・・・?

ムギュムギュ・・・。

トウハ:ひたひ・・・つねらないへ・・・。

クレハ:トウハ、病気のせいで運動不足になっちゃったですね・・・。

トウハ:病気のせいじゃないもん、昔の僕だったらスマッシュで終わらせたのに。

ぐぅ・・・。

キョンの妹:お腹減っちゃった。

キョン:んじゃ、飯にするぜ。クレハが作った弁当だぞ!

トウハ:わーいわーい、トウカちゃんのお弁当だ!

クレハ:でも、ピーマンは入れときましたからね。

トウハ:はぅ・・・ピーマン嫌いなのに。

クレハ:ピーマン食べないと成長しませんよ。

キョン:そうだぞ、こなたに抜かれるぞ。

トウハ:はぅ・・・。

キョン:ほら、あーんしろ。

トウハ:うぅ・・・・あむ。

パクッ。

トウハ:苦くない、おいしい・・・。

クレハ:砂糖を少々かけてみたの。苦味がけしてくれるの。

カリス:すごいな、姉さんといい勝負になるかも。

クレハ:そんなことないよ、今の私じゃ・・クララさんに勝てません。

キョン:料理に勝ち負けなんて関係ねえ。うまければそれでいい。

トウハ:あむあむ・・・。

ザァーザァー・・・。

キョン:日が暮れたな・・・。

カリス:キョン、僕は帰るよ。

キョンの妹:ばいばい、トウハちゃん。

トウハ:ばいばい〜。

クレハ:・・・トウハ。

ズキィ!

トウハ:かはぁ!

びちゃ・・・。

キョン:トウハちゃん!?

クレハ:出血・・・早く病院に!?

キョン:トウハちゃん、絶対に死なせない・・・。シナリオ通りなんかさせない!

トウハ:はあはあ・・・。

クレハ:死なせない・・・トウハは・・大事な妹だから!

出血で倒れてしまったトウハ。手術を開始し、生きるか死ぬかの運命となった・・・・。

キョン:トウハちゃん・・・。

ゼロ:・・・キョン、トウハはもぅ・・・ここで終わりになる・・・。

ガバァ!

キョン:終わってないんだよ・・・、お前は神だろ?助けてくれよあの子を!?

ゼロ:ごめん、僕の力じゃ・・助からない。

キョン:・・・俺は・・あの子の死を・・見てるだけか・・・そんなのイヤだ・・・。

クレハ:キョンくん・・・。

フゥゥン。

ガタン・・。

キョン:先生、どうだった!?トウハちゃんは!?

医長:・・・すまないキョンくん、トウハちゃんは・・7時30分・・ご臨終です。

キョン、クレハ:!?

キョン:うそだろ・・・うそだといってくれよ先生!

クレハ:トウハ・・・ぐすん・・トウハァァァァ!!

医長:嘘じゃない・・、私達の力じゃ治せない病気・・・どうすることもできない・・・。

キョン:う・・・うあああああああああああああああああああああ!!

ゼロ:・・・キョン・・・。

カァァァァ!!

キョン:なんだ・・・この光は!?

クレハ:光に・・・飲まれちゃう・・・きゃあああ!

キョン:うわぁぁ!

フゥゥゥン。

医長:い・・いまのは・・・あれ!?キョンくんとトウカちゃんがいない・・・。

ゼロ:行ってしまったか、トウハの空間に。

ゴォォォォォォ。

キョン:うわぁぁ、ここどこだ!?

クレハ:これは・・・空・・・。

キョン:なんで空飛んでんだ俺は!?

クレハ:まさか・・・トウハの空間。

トウハ:・・・の・・・海・・・ど・・こ・・ま・・で・・。

クレハ:この歌は・・・青空・・。トウハ!?

トウハ:あ・・・トウカちゃん・・・それにキョンくん。

キョン:トウハ・・・生きてるのか!?

トウハ:うんうん、死んでるよ。キョンくんに何か贈ってあげようかなって。

キョン:贈るって・・・何をだ?

トウハ:僕の力・・・キョンくんとトウカちゃんにあげる。

クレハ:トウハ・・・まさか・・・。

トウハ:僕はトウカちゃんの心剣を究極心剣にしてあげる。

キョン:そこまで無理しなくても・・・。

トウハ:つべこべ言わないの。やるったらやるの!

キョン:・・・ありがとう。トウハちゃん。

トウハ:トウハでいいよ、ちゃん付けは似合わないよキョンくん。

キョン:うるせぇ・・・。

トウハ:キョンくん、トウカちゃんのこと・・頼んだよ。もし浮気したら承知しないからね。

キョン:わかったよ、子供生んだらお前の名前にしてやるよ。

トウハ:本当に・・・!?

キョン:だから、2〜3年後、期待して待ってろトウハ。

トウハ:うん!キョンくん、悪い夢を・・打ち消してね・・・。

カァァァァ!!

クレハ:力が・・・沸いてくる。トウハの力・・・ありがたく使わせてもらいます。

シャキィィィィン!

キョン:これが・・・聖杯。綺麗だな・・・。

クレハ:キョンくん、愛してるよ。

キョン:クレハ・・・、俺もだ。さぁ、ここから出よう。

カァァァァァ!!

フゥゥゥン。

ゼロ:おかえり、キョン、クレハ。

キョン:ただいま、ゼロ。

クレハ:トウハにあって、力をくれた。

ゼロ:究極心剣か、妹の力、大事にしてね。

クレハ:うん。

キョン:さて、305号室に行くぞクレハ。

クレハ:トウハの寝顔・・・みにいかないとね。

トウハの力のおかげで究極心剣が出たクレハ。キョンとクレハは青空を見続けていた・・・トウハが空を飛んで楽しんでるだろうと。

バサ・・バサ・・・。

ゼロ:・・・あの海・・・どこまでも・・・青かった遠くまで♪一番すきなあのひと・・・笑ってる♪また夏が来る銀色に光る・・・水面に写す・・・二人分の・・影・・♪うまく歌えないな・・・トウハが歌ってた青空・・・。ふふ・・。

ゴォォォォォ!!

25話に続く。